フットボールを整える

グラスルーツのレベルからサッカーにかんするあらゆる物事を考えていきます

オフサイドの旗に主審が気づかないとき

オフサイドの打ち合わせに関する補足的な記述です。

 

現行の競技規則-2016-2017のサッカー競技規則の中の、「競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン」には、以下のような記述がありました。

 

主審が旗をすぐに見なかった場合、副審は主審が気づくまで、または明らかに守備側チームがボールをコントロールするまでシグナルし続けなければならない

 

これは、それまで打ち合わせで行われていたことを明確化したものです。

 

ちなみに私が持っている最も古いものである2006-2007競技規則という本の中にはこのような記述はありません。そもそもこの時点では「競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン」という項目すらありませんでした。

 

 

疑問点となり得るもの

 

 

ここで問題になるのは、「明らかに守備側チームがボールをコントロールするまで」というのはどのような場合なのか?ということです。

 

これについては、「攻撃方向が変わった場合」であるとか「完全にポゼッションできる状況になった場合」という言い回しがされることがあります。

 

相手チームがもう一度ボールを奪う可能性が非常に高い場合には、まだ旗を上げるべきという一定の指標もあります。

 

これはもう、試合状況次第なのでなんとも言えませんが、旗を下げる場合に自分の中での理由付けができるようになった方がいいと思います
(上級を目指す方は必須ですね。)

 

打ち合わせに時間が取れるのであれば、この点についてもしっかりと打ち合わせをしておきましょう。これを知らない審判も多いと思われるので、認識を共有しておいた方が、自分の身を助けることになると思います。

 

副審の旗の音が聞こえない状況、ファウルの見極めが難しいデュエルが連続する状況で、この打ち合わせが生きてくると思います。

 

特に、スタジアムで行われ、観客それなりに居て歓声があるような状況でも、インカムを使用しない2級以下のレベルの場合は、この打ち合わせは外せないと思います。

 

 

主審は副審のレベルを考えて

 

1級になってしまえばおそらくインカム着用の試合が多いでしょうが、1級でも大学サッカーリーグを吹くことがあり、そこでは副審は学生の3級審判と組むため、要注意だと思います。

 

学生審判の知識のバラつきは大きいので、普段自分が組んでいる上級審判の方であれば当然行うであろう行動を、学生審判は行わない可能性があります。

 

私も、学生時代に1級の方と組みましたが、当時は冒頭に示したようなことが競技規則の書物に書かれていなかったため、延々とプレーが途切れるまで旗を上げていたことがありました(後でご指摘を受け、教えて頂きました)

 

競技規則の書物に明記されていることでも、一緒に組む審判が把握していない事があり得るということはあまり考えたくありませんが、実際上起こり得ます。試合に出場する選手に負担をかけないためにも、自分の身を守るためにも、相手のレベルを把握するということは必要不可欠です。

 

グラスルーツレベルでの対応

上記は正式な運用なので、トップレベルの審判はこれに従うことが求められます。

 

しかし、グラスルーツレベル(且つ、公式戦ではない場合)では、もっと緩い運用が許されてもいいと思っています。

 

もちろん上記運用をするべきなのですが、ずっと攻撃方向が変わらないのに審判が気づかないという状況が続くのもバカらしいです。

 

例えば

 

  • 霧がかかった状況
  • 雨風が強い
  • 土埃が舞い上がっている

 

こういう場合で主審から副審を認識することが困難な場合には、副審から主審に対して声で呼ぶということもアリだと思っています。

 

このレベルの場合、何のためにレフェリーがいるのかと言えば、試合をしている選手の試合の場、訓練の場を滞りなくするためにあると思いますので、厳密な運用がときには不適切な場合もあります。

 

もちろんこれは、厳密な運用をしっかりと押さえた上での話ですが。

 

その場で最も適切な「運用」をするためにも、ルールをしっかり理解し、あらゆる状況を観察し、判断していこうと思います。

 

以上