フットボールを整える

グラスルーツのレベルからサッカーにかんするあらゆる物事を考えていきます

試合前のグラウンドチェックの方法1:打ち合わせの一環として

グラウンドチェックの大枠 

 

試合前のグラウンドチェックも審判団の重要な職務の一つです。

  

グラウンドがそもそもしっかりとしたものでない場合が多いグラスルーツのレベルですが、その場合は審判主導で選手にとってプレーしやすい環境を作っていくことが大切なことだと思います。

 

そして、グラウンドチェックは審判の打ち合わせと直結しています。

 

グラウンドチェックのタイミングは審判の打ち合わせの前でも後でも良いですが、グラウンドチェックで拾った情報を基に打ち合わせをしたり、打ち合わせ内容を修正することがあるので、チェックしたことが試合中の運用にどのように影響するかを考えることが重要です。

 

少年サッカーの場合、朝一で大会運営の方と一緒にグラウンドを作るところから参加する場合もあると思います。この際ですので、グラウンドを作るところから見ていきます。

 

 

なお、このブログはグラスルーツ目線で記述していくので、環境が整っている状況でのレフェリーの方にとっては、この記事は全く役に立たないと思います。

 

今日はグラウンドチェックについて記述する前提として、その大枠を示すにとどめようと思います。

 

勝負は既に始まっている?グラウンドを作る作業

極々当たり前のことをこれから記述しますが、JFAの傘下ではない独立リーグ協会の管轄だったり、非公式な大会だったりすると意外ときちんとできていないことがあるので、『主審が環境をつくる』気持ちでかかわりましょう。

 

 

ほとんどの場合が土のグラウンドでしょうが、天然・人口芝も念頭に置いていきます。

 

狭義のフィールドについては競技規則の1条を見ればいいのですが、確認すべきことはおおむね以下の通りですね。

 

  1. コートの大きは規定通りか 
  2. 線はまっすぐか
  3. ペナルティーエリア等の大きさは正しいか
  4. 邪魔なもの(石とか)はないか
  5. 不足しているものはないか(コーナーフラッグ、テクニカルエリアなど)
  6. ゴールネットの取り付け・破れ、ゴールポストの位置

 

今日は大枠を示すだけにします。
むしろ、今日重視したいのは次の項です。

 

最初に持っておくべき指標:「サッカー競技の精神」

 

主審の職責に関する競技規則5条に、「サッカー競技の精神」に従って適切な措置をとるべきことが規定されることになりました。

 

これを受けて、ガイドラインでは競技規則を厳格に適用することのグラスルーツレベルでの弊害を考慮し、例えば以下のような場合には安全の問題がなければ、主審は試合を開始・続行するべきとされました

 

 

  • コーナーフラッグがひとつ、または複数設置されていない
  • コーナーエリアやセンターサークルなど、競技のフィールドのマーキングに若干不正確な部分がある
  • ゴールポストクロスバーの色が白ではない

このような場合、両チームの合意を得た上で主審は試合を実施・続行し、関係機関に報告書を提出しなければならない

 

これ以外の場合もあるでしょうし、また、非公式の大会であれば、両チームの合意すら不必要な場合もあると思います。

 

低学年の試合で、ゴールに緩衝材を巻く措置が取られることに既に合意が形成されているような場合には主審からの働きかけは不要です。また、ラグビー等の他のスポーツ用のラインがある場合や、少年用コートも同時に描かれているグラウンドの場合にも、「見ればわかる」ので、改めて合意を得ようとするのは逆に面倒です。

 

 

良い事例と思われる事象 

 

 

余談ですが、10年以上前、私の出身校では当時センターマークが無い人工芝でした。この時に主審から、「石灰などでセンターマークを描けませんかね?」と言われました。

 

確かに……いやいや、芝が痛むでしょ!

 

という複雑な気持を抑え、「ウチでは土の混入をも極力避けるように使用して芝を守ってるので、厳しいですね」と伝えました。私は副審だったので、運営側ともコンセンサスを一応得ましたけれども。

 

結局センターマーク無しで試合しましたが、そこではその後も何度か重要な公式戦が行われていました(笑)
それにしてもサッカー専用のコートだったのに不思議ですね。。。施工会社ェ…

 

このような場合に無理やりセンターマークをつける弊害と、センターマークが無いことによる弊害を比較衡量すれば、センターマークが不要の状態で試合を行うということがサッカー競技にとっても、競技をする者 にとっても有益であることは間違いありません。
このようなものが日本協会の言うところの「コモンセンス」なのかもしれませんね。

 

 

 

 

グラウンドチェック

グラウンドを作る作業のときに周囲をチェックしていれば、ほぼやることはないと思うのではないでしょうか?

 

実は、そんなことはありません。

 

このチェックによって、試合中に起こり得る状況をシミュレートできるのです。そのためのチェック項目は、何もグラウンドが競技規則・大会規定通りに作成されているかどうかという点に止まりません。

 

本日は深入りはしないので、ざっくりと大枠を示すと以下です。

 

  1. フィールドマークやゴールが競技規則に適合しているか
  2. グラウンドのコンディション
  3. スタジアム環境
  4. 天候等、その他の環境

 

ここで多くの情報を仕入れることで、試合中の予測にもつながっていきます。

 

 

それでは、次回から詳細な検討に入っていきます。

 

 

超余談:豊洲市場移転しないのって「サッカー競技の精神」に反しているんじゃ?

 

 

豊洲市場の操業開始の基準として、予算委員会での附帯決議(法的拘束力なし)と岡田市場長の答弁という個人の意見を根拠とする小島座長ですが、これってサッカー競技の精神に照らしたらどうなるでしょうか?

 

 

彼らが言ってることは

 

 

「センターマークが無いから試合開始できません! 」

 

「フラッグポストが1.4mしかないから試合開始できません!」

 

「コーナーアークが1.24mもあるから試合開始できません!」

 

 

っていうことと同義ではないでしょうか?

 

規則(豊洲市場の場合、規則かどうかも怪しい)を厳密に守ることがとてつもなく悪影響を及ぼすということを表すいい例じゃないでしょうか。判断権者たる審判(都知事)は、競技者と観客(国民、都民)にとって有益な判断をするよう、些末なルールに拘泥することなく対応することが求められていると思います。