ラフプレーとは 競技規則に無い言葉
「ラフプレー」は当たり前に使ってる言葉だけど
ラフプレーとは、警告の理由である「反スポーツ的行為」の一部です。
これは、競技規則本体には記載のない、日本独自の分類です。
JFAが発行している「サッカー競技規則」の中では、「日本語版付録」の最後の方にある、「審判報告書の記入上の注意」のところでやっと出てきます。
「ラフプレー」は、競技規則では「反スポーツ的行為」に含まれるが、日本では独立した警告の項目として採用している。適用を間違わないように注意すること
よって、欧州などで"Rough Play"などというと、全く意味がことなるものと受け止められてしまいます。
警告ではなく退場を意味しかねないものになります。
ネット上では、「ラフプレーは暴力的な行為で、場合によっては退場にもなる」
と説明がされているものもありますが、これは非常に誤解を招く表現です。
日本協会の用いる用語としての「ラフプレー」は、警告の対象となる行為を指して使われるのであって、決して退場を意味するものではありません。
一般用語としての使われ方と混同されているため、慣れていない人は審判報告書の記載を間違えてしまわないよう、気を付けましょう。
ラフプレーの存在意義
間違わないようにって言われても、何がラフプレーにあたるんだよ…
と不安になりますが、定義は「サッカー競技規則」の中では一切記述がありません。
また、JFAの過去の通達等を確認しましたが、この点についての記述は見当たりません。
(もしかしたら遥か昔の「サッカー競技規則」には書いていたのかもしれません)
実は、これは、単に審判報告書を書く場面だけで問題になるものではありません。
JFA懲罰規定
http://www.jfa.jp/documents/pdf/basic/PunishmentRegulations_20160401.pdf
この規定の中ではラフプレーは「危険な行為」と同義であるとされており、懲罰基準が他の反スポーツ的行為と異なります。
つまり、選手側にとっても単なる反スポなのか、ラフプレーなのかの違いは重要になってくるものです。
ラフプレーの意味
結局のところ、ラフプレーの意味を明確に定義した記述は、一般的には見当たらないため、確定的なことは言えません。
ただ、大体このような行為がラフプレーである、ということを説明することはできます。
私の整理でしかありませんが、敢えて言葉で示すとしたら、以下の定義となります
【反スポーツ的行為となるもののうち、物理的接触により相手競技者の身体の安全を相当程度害する行為のこと】
くだけた言い方をすれば
バチーン!!と当たるようなファウル
というように捉えればいいでしょう。
(ここに動画を持って来ればいいのでしょうが、後で編集するかもしれません)
相手が結構痛がっていたらラフ
という、いい加減ではあるものの、大体間違いじゃないと思われる基準があるような気がしないでもないです。
これは全部、日本サッカー協会のせいですので、気にしないでおきます。
最後に:絶対に間違えてはいけないこと
間違っても報告書を記入する際、ラフプレーの警告の理由に
「乱暴なスライディングをした」とか「過剰な力でタックルした」
などと書かないようにしてくださいね!
退場の理由を意味する「乱暴な行為」と「過剰な力を用いた」という文言に類似しているので、後で偉い人からにっこりとした顔で肩を叩かれるかもしれません。。。
特に、大会運営で試合結果の公式記録を手書きで作成する方もいらっしゃるかと思います。独立リーグなら大丈夫かと思いますが、JFAが絡むような大会では、注意してください。
以上、皆さまの整理に一役買えたのなら幸いです。
それでは、ありがとうございました!